都市づくりの基本指針となる総合計画や都市計画マスタープラン、介護保険計画、下水道計画などの事業計画を策定するうえで、「5年、10年、20年後の中・長期の目標となる将来の人口を推計」することは、最も基本的でかつ重要な作業です。
人口フレームは、国勢調査や住民基本台帳のデータを用い、様々な手法で推計されます。それぞれの推計方法を用いて算出された結果に対して、都市づくりの視点から総合的な検討を加えながら最も適切だと判断される値を元に、将来人口フレームが決定されます。
従来は県市町村を問わず、右肩上がりの将来人口フレームが設定されることがほとんどでしたが、今後は高齢化・少子化の進行、社会・経済の動向等を考慮すると、人口横ばいや人口減少を想定した将来人口フレームが採用され、地域の状況を踏まえた都市経営が行われるケースも増えるてくることも予想されます。
ここでは、将来人口の推計方法の紹介と、当社で提案している方法を案内させていただきます。
なお、これらの方法で「将来人口フレーム」を試算してみたいと思われる方は、eメール、電話、FAXのいずれでも結構ですので、当社までご連絡下さい。実費のみで、作業をさせて頂きます。
1.回帰式(最小二乗法)
回帰式による推計は、過去3ヶ年以上の人口データを元にして、そのデータが近似的に適合する直線あるいは曲線を求め、その直線あるいは曲線を将来に当てはめて推計値を求めるものです。
2.コーホート変化率法
変化率法は、基準年と5年後の2ヶ年の5歳階級別人口を用いてその変化率を求め、将来に当てはめて算出するものです。
3.コーホート要因法
要因法は、将来の移動(転出、転入)と生死(出生、生残)等の個々の指標を仮定し、推計を行うものです。過去の変化を基本とする点では同じですが、個々の指標に分けられているので、そのときの状況に応じて個別修正が可能です。
上記で説明した通常の方法の他に、移動率を0として計算する方法(「封鎖型」と呼ぶ)があります。これは、当該区域への転出・転入がないもの(転入と転出がほぼ同数と考える)とみなして、移動率を0と設定するものです。従って、当該区域人口の出生率と生残率が変化の要因となります。
4.コーホート要因法の一部修正法(当社の提案する方法)
要因法に用いる将来の移動率は、都道府県の数値(通常、厚生省社会保障・人口問題研究所推計値)であるため、当該市町村の状況とは異なっている可能性が高いと考えられます。一方、生残率は都道府県内の各市町村によって大きく異なることはないと考えられます。
そこで、基準年から5年後にかけての都道府県の生残率(今回は1990年から1995年)を生命表から求め、それを用いて当該市町村の基準年人口(1990年)に乗じた数値(生残のみを考慮した1995年の人口になる)を算出します。これを実際の人口(1995年人口)から除いた数値は、移動した人口に相当することになり、これを基準年の人口で除して移動率とします。
この方法を採用することで、より当該市町村の人口実態に対応した推計が可能となり、人口推計の精度が向上します。
詳しい内容をお知りになりたい方は、当社までご連絡下さい。出来るだけ分かり易く説明させて頂きます。
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